故人宛ての郵便物は転送できるか 日本郵便の案内で確かめた受取拒絶とDMを止める方法
亡くなった人宛ての郵便物は、家族が頼んでも、日本郵便に転送してもらうことはできません。日本郵便の公式Q&Aには、家族から転送の申し出があっても、亡くなった本人の郵便物等は転送できないこと、受取人が亡くなった場合は、その郵便物等は差出人に返還されることが書かれています。
家に届くDMを止めたいときは、日本郵便ではなく、DMを出している会社に連絡します。開封する前なら、受取拒絶の方法で郵便物を差出人へ戻すこともできます。この記事は一般的な情報で、個別の判断は日本郵便の窓口や弁護士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。
転送はできず、差出人に返還される
引っ越しのときの転居届は、届け出た日から一定期間、郵便物を新しい住所へ送ってくれる仕組みです。この仕組みを、亡くなった人の郵便物を家族の住所へ送るために使うことはできません。

日本郵便のQ&A「死亡した受取人あての郵便物等を家族に転送してもらえますか?」の回答は、次のとおりです。
- 家族から転送の申し出があっても、亡くなった本人の郵便物等を転送することはできない。
- 受取人本人が亡くなった場合、その人宛ての郵便物等は差出人に返還される。
このQ&Aは、転送の可否と、返還の扱いだけを説明しています。返還が実際に行われる時期や、返還の手続きの細かい流れは書かれていません。気になるときは、配達してくれている郵便局に聞きます。
転送ができない以上、亡くなった人宛ての郵便物をどうするかは、届いた家の側で考えることになります。次の節で、受け取らずに差出人へ戻す方法を説明します。
開封前なら受取拒絶で差出人に戻せる
日本郵便のQ&Aには、迷惑な郵便物等が届いたときに受け取りを拒絶する方法が書かれています。亡くなった人宛ての郵便物にも使えるかどうかは、そのページには書かれていません。方法は次のとおりです。

- メモや付せんに「受取拒絶」と書く。
- 受け取りを拒絶する人の印を押すか、署名をする。
- そのメモを郵便物に貼る。
- 配達担当者に渡すか、郵便窓口に持っていくか、郵便ポストに投函する。
出した郵便物は、日本郵便から差出人へ返還されます。決まりもあります。
- 開封する前であること。開封後は、受取拒絶はできない。
- 特別あて所配達郵便物は、押印や署名が要らない。
- 日本郵便が配達したものでない配送物は、この方法で拒絶できない。「これは郵便物ではありません」や「○○メール便」などの表示があるものが例で、配送した事業者に連絡する。
亡くなった人宛ての郵便物の場合、メモに誰が署名や押印をするのかは、日本郵便のQ&Aに書かれていません。受取人本人が書けない場合の扱いは、郵便局の窓口で確かめます。
名古屋市のごみ減量の案内にも、同じ方法が載っています。開封する前に、「受取辞退」の文字と受取人の署名・押印を書いて貼り、ポストに投函すると、郵便局が差出人に返送します。宅配便の場合は会社によって対応が違うので、荷物に書かれた取扱い問い合わせ先に確認するとされています。開封後は受取辞退ができず、雑がみとして資源に出すことになります。故人宛ての郵便物についての記載は、この案内にもありません。
差出人名を見て、金融機関、保険会社、役所など、故人の契約や手続きに関わる相手からのものは、返送する前に、内容を確かめる必要があるかを考えます。開封したあとは、受取拒絶ができません。
DMは差出人に止めてもらう
DMは、さまざまな会社が出しています。送るかどうかを決めているのは、日本郵便ではなく、差出人です。

日本郵便の公式ページの中で、今回読んだ範囲には、DMを止めるための手続きは見つかりませんでした。止めるには、DMを出している会社に連絡して、送らないよう頼みます。
連絡の仕方は、会社ごとに決まっています。たとえば、三菱地所ハウスネットの営業所のページは、ダイレクトメール送付停止フォームから申し出るよう案内しています。同じ営業所の問い合わせフォームでは、ひらがなの氏名、メールアドレス、電話番号が必須で、住所などは任意です。送付停止フォーム自体の入力項目は確かめていません。このページには、本人が亡くなっている場合の記載はありません。フォーム以外の受付方法があるかどうかは、各社の案内で確かめます。
DMの封筒やはがきには、問い合わせ先が書かれていることが多いので、まず差出人の名前と連絡先を控えます。連絡するときは、次の点を伝えると、話が進みやすくなります。
- 宛名の人が亡くなったこと
- 宛名と住所(届いた宛名のとおりに伝える)
- DMの送付を止めてほしいこと
会員や顧客として契約が残っているときは、DMを止める手続きとは別に、契約の解約や名義の手続きが必要になることがあります。サブスクの探し方は故人のサブスク・有料サービスを解約する方法と探し方に、カードの契約は故人のクレジットカードの解約とカード会社の調べ方に書きました。
家が空いているときの郵便物
故人が一人暮らしで、家が空いている場合は、郵便物が郵便受けにたまります。日本郵便には、長期間家を空けるときのための不在届があります。

日本郵便の「長期間ご不在とする場合」のQ&Aによると、不在届は、旅行や帰省などで不在になる期間(最長30日)を、事前に届け出る仕組みです。届け出る場所は、自宅へ配達する郵便局か、最寄りの郵便局です。本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)を持っていきます。
保管期間は最長30日で、満了日の翌日にまとめて配達されます。保管の対象は、自宅宛てのすべての郵便物等です。家族の一部や、郵便物の種類を選んで保管することはできません。保管中に家族(同居者を含む)が在宅していると分かった場合は、保管中のすべての郵便物が配達されます。
この不在届は、旅行などで留守にする人のための仕組みです。故人の家を空ける場合に使えるかどうかや、30日を過ぎた後の扱いは、そのQ&Aには書かれていません。家の管理を誰が担うかも含めて、郵便局で相談します。
届いた郵便物は契約を探す手がかりになる
返す前に、差出人の名前を一覧にしておくと、故人の契約や口座を探す手がかりになります。請求書、利用明細、会員向けの案内などは、サービスの利用を示す材料です。

手がかりになる郵便物の例と、見る点を並べます。
- 請求書や利用明細: 通信、電気、ガス、水道、カードなどの契約先と、引き落としの口座
- 会員誌やDM: 会員になっているお店やサービス
- 金融機関からの案内: 口座や証券、保険の有無
口座や証券の探し方は故人のネット銀行・ネット証券の見つけ方と相続の手続きに書きました。回線や固定電話は故人のインターネット回線と固定電話の解約、マイナンバーカードの扱いは故人のマイナンバーカードの返納で説明しています。
出典
- 死亡した受取人あての郵便物等を家族に転送してもらえますか? 日本郵便 https://www.post.japanpost.jp/question/107.html (確認日 2026年11月4日)
- 郵便物等を受取拒絶したい場合 日本郵便 https://www.post.japanpost.jp/question/121.html (確認日 2026年11月4日)
- 長期間ご不在とする場合 日本郵便 https://www.post.japanpost.jp/question/115.html (確認日 2026年11月4日)
- 転居・転送に関するよくある質問 日本郵便 https://www.post.japanpost.jp/question/relocation/ (確認日 2026年11月4日)
- 郵便物の受取辞退 名古屋市 https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012295/1012317/1033999/1012320.html (確認日 2026年11月4日)
- ダイレクトメール送付停止の申し出 三菱地所ハウスネット(営業所ページ) https://www.mec-h.com/inquiry/office/D54/input (確認日 2026年11月4日)