デジタル遺品の整理帳

故人のブログ・ホームページ・ドメインをどうするか 契約の分け方と、手放す前に確かめること

内容の確認日: 2026年11月4日

故人のホームページやブログがあるとき、先に確かめたいのは「ドメイン」と「サーバー」の契約です。この二つは年ごとに更新するものが多く、放っておくと契約が切れて、サイトが見られなくなります。すぐに消さなくてよいか、消してよいかを決めるのは、相続人です。

手順は事業者ごとに違います。この記事で公式ページを開いて確かめられたのは、さくらインターネットの案内とJPドメイン名の仕組み(JPRS)です。他の事業者は、それぞれの公式サイトで確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の判断は弁護士や司法書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

まず何が契約されているかを分ける

一つのサイトでも、契約は何本かに分かれています。どれが誰の名前で契約されているかを、最初に書き出します。

ノートパソコンのキーボード
写真: Gre123gr / CC0(Wikimedia Commons)
  • ドメイン: サイトの住所(例: ○○.com、○○.jp)を持つ権利。
  • サーバー: サイトのデータを置く場所。レンタルサーバーなど。
  • ブログサービス・SNS: 事業者の用意した場所に書いているもの。ドメインやサーバーの契約がない場合もあります。
  • 独自のメールアドレス: ドメインに付いていることがあり、ドメインを手放すと使えなくなります。

手がかりは、パソコンやスマホにあります。ブラウザーの履歴、メールに届く更新のお知らせ、クレジットカードの明細などです。明細の探し方はサブスクの解約の記事に書きました。ログインできないときはパソコンのパスワードの記事を見てください。

契約は相続人に引き継がれる

民法896条は、相続人は相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定めています。ただし、被相続人の一身に専属したものは別です。ドメインやサーバーの契約が引き継がれるかどうかは、事業者の規約や手続で決まる部分があります。

机に置かれたノートパソコンと積まれた本
写真: freddie marriage fredmarriage / CC0(Wikimedia Commons)

相続を承認する(単純承認か限定承認)か、放棄するかの判断には期限があります。民法915条1項は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内としています。この期間に、相続財産を調べることもできます(同条2項)。サイトの収益や契約の残りがあるかどうかも、財産を調べるときの材料になります。購入データなどの扱いは購入データの相続の記事で規約を見ました。

さくらインターネットの案内

さくらインターネットのサポート情報には「契約者が逝去したため相続または解約をしたい」という頁があります。そこに書かれていることは次のとおりです。

机の上のノートパソコンとマグカップ
写真: Ryan Riggins / CC0(Wikimedia Commons)
  • 相続または解約を希望するときは、カスタマーセンターへメールで問い合わせる。
  • 手続に必要な情報や書類は、メールの返信で案内される。
  • 問い合わせる前に、会員ID、契約者名、住所、電話番号、契約者の生年月日、メールアドレスを確かめておく。
  • 相続人以外への契約者名の変更や相続を希望するときは、まず相続人が相続し、そのあと相続人が「契約サービスの譲渡」の手続を行う。

つまり、故人の友人や仲間にサイトを引き継ぎたいときでも、さくらの案内では、順番として相続人への相続が先です。必要な書類の具体的な中身は、この頁には書かれていません。

JPドメインは廃止すると戻せる期間が限られる

ドメインを手放すときは、JPRSの「JPドメイン名のライフサイクル」が参考になります。汎用JPドメイン名と都道府県型JPドメイン名(○○.jp)の流れは次のとおりです。

鍵が差し込まれた真鍮の南京錠
写真: Shillings1005 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 登録された日の1年後の月末が有効期限で、廃止されなければ1年間自動更新される。
  • 廃止を申請すると、申請した月の月末が期限になる。
  • 期限の翌日から1か月間は廃止された状態で、その月の1日から20日までが登録回復期間。この間に回復を申請すると、元の状態に戻る。
  • 回復されなければ、情報が削除され、再び同じ文字列のドメイン名が登録できるようになる。

(co.jpなどの属性型・地域型(LG.JPを除く)は、廃止日を最大6か月後の月末まで指定でき、廃止後の期間も6か月と、流れが違います。)

注意したいのは、削除されたあとです。同じ文字列のドメイン名が、再び誰でも登録できる状態になります。故人の名前や屋号を含むドメインなら、手放す前に、残すか、廃止するかを決めておきます。なお、JPRSは各事業者が登録規則の範囲内でサービスを提供していて、受付期間や受付できる申請が事業者ごとに違う、とも断っています。.comなど、JP以外のドメインの流れは、この記事では確かめていません。

残すか、閉じるかを決める順番

サイトを残すか閉じるかは、次の順で考えると迷いにくくなります。

机に並んだスマートフォンや小型の機器
写真: Niklas Veenhuis / CC0(Wikimedia Commons)
  1. ドメイン・サーバー・ブログサービスの契約先と、更新日・料金を書き出す。
  2. 相続人が誰かを確かめ、承認か放棄かを期限内に決める(民法915条)。
  3. 残したい記事や写真は、閉じる前に保存する。保存できるのは、ログインできる契約だけです。
  4. 事業者に連絡し、契約の相続か解約かを選ぶ。
  5. メールやほかのサービスの登録に、そのドメインのアドレスを使っていないか確かめる。

手順に自信がないときや、パスワードが分からないときに、業者に頼む場面もあります。選ぶときの確認点はデジタル遺品の業者の記事にまとめました。生前に自分のサイトを残す方法を決めたい人は、家族に契約先を書き残すところから始められます。

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。事業者の案内は変わることがあるため、問い合わせる前に最新の頁を開いてください。

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