AppleとGoogleのアカウントを生前に整理する 故人アカウント管理連絡先とアカウント無効化管理ツール
AppleとGoogleのアカウントは、どちらも生前に「亡くなったあと誰に何を渡すか」を設定できます。Appleは「故人アカウント管理連絡先」、Googleは「アカウント無効化管理ツール」です。設定しておくと、家族が写真やメールを受け取れる道ができます。
ただし2つは仕組みが違います。Appleは相手に渡すアクセスキーと、戸籍謄本などの書類が必要です。Googleは、一定期間アカウントが使われなかったときに、決めた相手へメールが届きます。パスワードそのものは、どちらからも渡りません。この記事は一般的な情報で、個別の判断は弁護士・司法書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。画面の表示は、OSやアプリの更新で変わることがあります。
先に知っておく違い

Appleの公式ページとGoogleの公式ヘルプで確かめた違いを、表にしました。
表は左右に動かして読めます。
| 項目 | Apple 故人アカウント管理連絡先 | Google アカウント無効化管理ツール |
|---|---|---|
| 動き出すきっかけ | 亡くなったあと、連絡先が申請する | アカウントが指定の期間使われなかったとき |
| 指名できる人数 | 複数名 | 最大10人 |
| 相手に必要なもの | アクセスキーと書類(日本では、死亡の記載がある戸籍謄本) | 届いたメールのリンクと、設定時に入力した電話番号での本人確認 |
| 渡せるデータ | 写真・メッセージ・メモ・ファイル・デバイスのバックアップなど | Blogger・ドライブ・メール・YouTubeなどのデータ。共有できない情報もある |
| 渡せないもの | 購入した映画・音楽・ブック・サブスクリプション、iCloudキーチェーンのお支払い情報・パスワード・パスキー | 共有できない情報がある(一覧はページに書かれていません) |
どちらも、本人が元気なうちに指名しておく仕組みです。設定したあとも、変更や取り消しができます。
Appleの故人アカウント管理連絡先を設定する

Appleのサポートページ(2026年9月23日公開)の内容です。
設定の前に、次を整えます。
- 指名する人を決める。Apple Accountも、Apple製のデバイスも持っていない人でかまいません。
- iPhone・iPad・Macを、iOS 15.2・iPadOS 15.2・macOS Monterey 12.1以降にする。
- Apple Accountにサインインし、必要に応じて2ファクタ認証を有効にする。
- 申請する連絡先は13歳以上であること。年齢は国や地域で違います。
iPhoneとiPadでは、次の順に進みます。
- 「設定」を開き、自分の名前をタップする。
- 「サインインとセキュリティ」をタップし、「故人アカウント管理連絡先」をタップする。
- 「故人アカウント管理連絡先を追加」をタップする。場合によっては、Face ID・Touch ID・パスコードで認証する。
- ファミリー共有のメンバーから選ぶか、「ほかの連絡先を選択」で連絡先アプリの人を選ぶ。
- アクセスキーの共有方法を選ぶ。
Macでは、Appleメニューの「システム設定」から自分の名前を選び、同じく「サインインとセキュリティ」の「故人アカウント管理連絡先」に進みます。
共有方法は2つあります。「iMessageを送信」は、相手が承諾すると、アクセスキーの控えが相手のApple Account設定に自動で保管されます。双方がiMessageを有効にしていないと、この選択肢は出ません。「控えをプリント」は、紙で渡す、PDFやスクリーンショットを送る、相続の書類と一緒にしまうなどの方法です。Appleは、共有方法にかかわらず、控えを印刷して相続の書類と保管しておくよう勧めています。
追加すると、確認のメールが届きます。
Appleで渡せるものと渡せないもの 注意する点

アクセスを申請するには、アクセスキーと死亡の書類の両方が要ります。日本では、死亡証明書ではなく、アカウント所有者の死亡が記載された戸籍謄本です。書類の要件は国や地域で違うと、Appleは書いています。
Appleのページには、次の注意も書かれています。故人アカウント管理連絡先に指名された人は誰でも、故人のアカウントデータについて、完全に削除するなどの決断を下せます。複数名を指名するときは、人選と話し合いが大事になります。
パスワードやパスキーは、この仕組みでは渡せません。iCloudキーチェーンの中身も同じです。パスワードの残し方はパスワードを残す方法の記事にまとめました。購入済みのコンテンツや有料の契約も渡せないため、契約の洗い出しは別に必要です。
連絡先を外すには、設定の同じ画面から相手を選んで削除します(Appleの「Legacy Contact の削除」ページ。公開日2026年4月2日)。削除された相手には通知されず、そのアクセスキーは使えなくなります。このページでは、機能名が英語で表記されています。画面の表示は「故人アカウント管理連絡先」です。
Googleのアカウント無効化管理ツールを設定する

Googleアカウントヘルプの「アカウント無効化管理ツールについて」で確かめた内容です。設定は、同ページに案内されている「アカウント無効化管理ツールのページ」から行います。ヘルプには、画面ごとの細かい操作の順序は書かれていません。ここで書けるのは、設定できる項目です。
- プランが動くまでの期間。アカウントが使われない期間を、ツールのページで指定します。選べる長さはヘルプに載っていないため、画面で確かめてください。
- データを受け取る相手。最大10人まで。全種類のデータか、特定の種類だけかを選べます。相手ごとに変えられます。
- 相手に送る内容。「利用されなくなったことを知らせる」だけにするか、データの共有もするかを選びます。知らせるだけのときは、設定時に入力した件名と本文のメールが届きます。
- 相手の電話番号。本人確認に使われます。メールを別の人が手に入れても、データに近づけないようにするためです。
設定した時点では、相手に何も届きません。メールが届くのは、プランが動いたときだけです。データを共有する設定なら、メールに共有対象の一覧とダウンロードのリンクが付きます。内容の変更やプランの無効化も、同じページからできます。
Googleは、最終ログイン、「マイアクティビティ」の最近の操作、Gmailの利用(スマートフォンのアプリなど)、Androidのチェックインなどから、利用の有無を見ています。どの程度の操作で「利用中」になるかは、ヘルプに書かれていません。
設定したあと 家族が困らないための整え方

設定の後に、次の3点を済ませます。
- 誰に頼んだかを、家族に伝える。Appleは、iMessageでアクセスキーを共有したときは、相手が受け取ったかを確かめておくよう勧めています。
- アクセスキーの控えと、Googleの連絡先の一覧を、紙にして相続の書類と一緒に置く。
- 連絡先や人間関係が変わったら、設定を見直す。
Googleのヘルプによると、プランを設定しないまま2年以上Googleを使わなかった場合、Googleは無効なアカウントとそのデータを削除する権限を持ちます。アカウントを削除すると、Gmailのメールには入れなくなり、同じGmailのユーザー名も再利用できなくなります。
設定を忘れたまま亡くなった場合は、家族が申請する道があります。Googleのヘルプには、「故人のアカウントに関するリクエスト」として、アカウントを閉鎖する、資金を取得する、データを取得するの3つが案内されています。Googleは、パスワードや他のログイン情報は伝えられないとし、リクエストは慎重な審査のうえで決めるとしています。認められるとは限りません。
デジタル遺品の全体像は生前のデジタル終活の記事にあります。AppleとGoogle以外のサービスや、契約の洗い出しは、そちらと組み合わせてください。
出典
- Apple サポート Apple Accountの故人アカウント管理連絡先を追加する方法(公開日2026年9月23日) https://support.apple.com/ja-jp/102631
- Apple サポート Legacy Contact の削除(公開日2026年4月2日) https://support.apple.com/ja-jp/126507
- Google アカウント ヘルプ アカウント無効化管理ツールについて https://support.google.com/accounts/answer/3036546?hl=ja
- Google アカウント ヘルプ 故人のアカウントに関するリクエストを送信する https://support.google.com/accounts/troubleshooter/6357590?hl=ja
いずれも2026年11月4日に確認しました。操作の名称や画面は、OSやアプリの更新で変わることがあります。