デジタル遺品の整理帳

故人のスマホのロックが解除できないときに家族ができること

内容の確認日: 2026年11月3日

亡くなった家族のスマホは、パスコードが分からないと開けないのが基本です。国民生活センターの資料では、パスワードが分からない場合に第三者がロックを解除するのは非常に困難とされています。携帯電話会社の店舗で、初期化はできるが画面ロックは解除できないと言われた相談例も紹介されています。

端末の中身を探すより、AppleやGoogleのアカウントに対して遺族が申請する道を先に確かめるほうが現実的です。あわせて、携帯電話の回線の解約は端末のロックとは別に進められます。この記事は一般的な情報で、個別の判断は弁護士・司法書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月3日に確認しました。

まず知っておきたいこと

国民生活センターは2024年11月に「デジタル終活」についての注意喚起を出しました。その中に、亡くなった家族のスマホのロックを解除しようとした相談が載っています。携帯電話会社の店舗に持ち込んだところ、初期化はできるが画面ロックの解除はできないと言われた、という内容です。

初期化をすると、端末に保存されていた写真や連絡先は消えます。中身を残したいなら、店頭で初期化を頼む前に立ち止まってください。端末のデータとは別に、故人がクラウドに預けていたデータは、各社の手続きで受け取れる場合があります。その窓口を次の2つの節で紹介します。

ロック画面が表示されたスマートフォン
写真: Acabashi / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

iPhoneの場合は「故人アカウント管理連絡先」

Appleには「故人アカウント管理連絡先」という仕組みがあります。本人が生前に指定した人が、亡くなったあとにアカウントのデータへアクセスを申請できます。指定の方法は生前にできるデジタル終活の記事にまとめました。

Appleのサポートページによると、申請に使うものは2つです。

  • 本人が指定したときに発行された「アクセスキー」
  • 死亡を証明する書類(日本では死亡の記載がある戸籍謄本)

申請は digital-legacy.apple.com から行います。承認されると、アクティベーションロックは自動で解除されます。ただし端末は消去して復元し、管理連絡先の人が自分のApple Accountで設定し直す必要があります。

見られるデータと見られないデータも決まっています。写真・メッセージ・メモ・ファイル・デバイスのバックアップなどは対象です。購入した映画・音楽・ブック・サブスクリプションは対象外です。キーチェーンに保存された支払い情報・パスワード・パスキーも対象外です。

管理連絡先が指定されていなかった場合は、裁判所の命令などの法的な書類で申請する方法があります。Appleのページでは、日本は裁判所命令に代わる書類や手続きが認められる国の一つとして挙げられています。必要な書類は状況で変わるので、Appleの案内を確認してから準備してください。

2台のiPhone
写真: SimonWaldherr / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

Androidの場合はGoogleアカウントの手続き

Androidのスマホは、多くの場合Googleアカウントと結びついています。Googleには2つの入り口があります。

1つ目は「アカウント無効化管理ツール」です。本人が生前に設定していれば、一定期間アカウントが使われなかったときに、指定された人へ通知が届きます。通知メールには、共有されたデータの一覧とダウンロード用のリンクが入ります。相手は最大10人まで指定できます。故人のメールアドレスあてに何か届いていないか、家族の受信箱を探してみてください。

2つ目は、遺族からの申請です。Googleのヘルプでは、故人のアカウントについて次の3種類のリクエストを受け付けています。

  • アカウントの閉鎖
  • アカウントの資金の取得
  • アカウントのデータの取得

Googleは申請を慎重に審査するとしており、応じるかどうかは個別に判断されます。また、パスワードやログイン情報は提供しないと明記しています。スマホのロックを開ける手段としてではなく、データを受け取る手段として考えてください。

机に置かれた2台のAndroidスマートフォン
写真: Maurizio Pesce from Milan, Italia / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

携帯電話の回線を解約する

回線の解約は、端末のロックが開かなくても進められます。ここではNTTドコモとauの公式ページの内容を紹介します。

ドコモの公式サイトでは、契約者が亡くなったときの解約に次のものを求めています。

  • 死亡の事実が確認できる書類(除籍が分かる戸籍謄本・抄本、死亡診断書、葬儀の案内状、新聞の訃報欄など)
  • 書類の種類によっては、契約者の本人確認書類の原本
  • ドコモUIMカード・eSIMカード
  • 来店する人の本人確認書類

同じページには、事務手数料はかからないことが書かれています。解約日までの料金は翌月に請求されます。端末の分割払いが残っていれば、解約後も支払いが続きます。dポイントは解約で失効します。手続きはドコモショップなどの店頭で、ahamoは郵送です。

auの公式サイトでは、死亡が確認できる書類をコピーで1点出せばよいとしています。戸籍謄本や除籍謄本のほか、会葬礼状や火葬許可書なども例に挙がっています。

電話帳や写真を残したいなら、解約や初期化の前に取り出せるものを確かめてください。ドコモのページも、電話帳などはメモを取っておくよう勧めています。

携帯電話会社の店舗の外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

ロック解除を業者に頼む前に確かめること

スマホのロック解除やデータの取り出しをうたう業者もあります。ただ、国民生活センターの資料にあるとおり、パスワードが分からない端末を第三者が開けるのは非常に困難です。業者に頼んでも開くとは限りません。

分解されたスマートフォンの部品
写真: Dmitry G / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

頼むかどうか迷ったら、契約の前に次の点を書面で確かめておくと、あとで話がこじれにくくなります。これは国民生活センターの資料ではなく、この記事からの提案です。

  • 費用の総額と、何に対していくらかかるか
  • 解除やデータの取り出しができなかったときの費用の扱い
  • 端末を預ける期間と、返ってくるときの状態(初期化されるかどうか)

説明に納得できないときや、契約後に困ったときは、消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターにつながります。

スマホの中に残っているかもしれないネット銀行やネット証券の探し方は、故人のネット銀行・ネット証券の見つけ方で説明しています。

出典

いずれも2026年11月3日に確認しました。

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