デジタル遺品の整理帳

亡くなった家族のiPhoneとiCloudの写真を取り出すには Appleの故人アカウント手続きで確かめたこと

内容の確認日: 2026年11月3日

亡くなった家族のiCloudの写真は、Appleに申請して認められた場合に限り、取り出せる可能性があります。Appleの公式ページでは、申請の際に法的書類の提出と審査が必要だと書かれています。パスワードを推測して入ることは手続きに含まれません。

生前に「故人アカウント管理連絡先」が設定されていれば、その連絡先が専用のWebサイトから申請します。設定がなければ、法的書類をそろえて申請する道になります。日本では、死亡証明書ではなく、死亡の記載がある戸籍謄本が必要になる場合があるとAppleは書いています。この記事は一般的な情報で、個別の判断はAppleのサポートや弁護士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

iPhone本体とiCloudのアカウントは別に考える

最初に分けて考えたいのは、手元にあるiPhone本体と、iCloudに保管されているデータです。この2つは、入口が違います。

2台のiPhone
写真: SimonWaldherr / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

Appleの公式ページには、パスコードで保護された端末について、次の説明があります。端末はパスコードによる暗号化で守られているため、端末を消去しない限り、Appleがパスコードの解除を手伝うことはできません。ロックされたiPhoneの中身を、Appleに頼んで開けてもらうことはできないということです。

iCloudのデータは、端末とは別にAppleのサーバーに保管されています。こちらは、これから説明するAppleの手続きで申請します。端末のロックを家族が解除できないときの考え方は、故人のスマホのロックが解除できないときに家族ができることにまとめています。

申請を始める前に、確かめておくことが2つあります。

  • 故人が「故人アカウント管理連絡先」に誰を指定していたか。
  • アクセスキーが家のどこかに残っていないか。

この2つで、進む道が変わります。

アクセスキーがあるときの流れ

故人が生前に家族を「故人アカウント管理連絡先」に指定していた場合、その連絡先はアクセスキーを持っています。Appleのページによると、このアクセスキーは次のような場所にあることがあります。

ノートパソコンの上に置かれたiPhone
写真: SimonWaldherr / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 連絡先に指定された人のApple Accountの設定。
  • 印刷された控え。
  • 遺産計画の書類と一緒に保管されている紙。

アクセスキーがあれば、申請はAppleのデジタル遺産のWebサイトで行います。公式ページでは、通常は死亡証明書を用意するとされています。日本の場合は、死亡証明書の代わりに、アカウント所有者の死亡が書かれた戸籍謄本が求められることがある、という説明です。

承認されると、故人のApple Accountに保管された特定のデータにアクセスできるようになります。アクセスできる範囲は、パスワードやパスキーまで含むわけではありません。対象と対象外の中身は、次の節で書きます。設定のしかたは、AppleとGoogleのアカウントを生前に整理するで扱っています。

アクセスキーがないときは法的書類で申請する

アクセスキーがない場合、Appleの公式ページは「裁判所命令またはその他の法的書類を用意してアクセスを申請する」という項目を設けています。

机の上に開いたノートとペンと眼鏡
写真: Shixart1985 / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

その項目には、次のように書かれています。

  • 米国やイスラエルなどでは、裁判所命令があれば、故人のApple Accountへのアクセスを申請できる。
  • フランス、ドイツ、日本、オーストラリア、ニュージーランドなどの一部の法域では、裁判所命令の代わりとなる書類や手続きが認められている。
  • 申請が認められると、故人のApple Accountに保管された特定のデータにアクセスできる。
  • 故人のApple Accountへのアクセスを申請できる人は、1人だけとされている。

日本で具体的にどの書類が要るかは、ページに「戸籍謄本が必要になる場合がある」と書かれている以上の説明を見つけられませんでした。続柄を示す書類など、ほかに求められるものがあるかどうかは分かりません。申請の画面と、Appleサポートからの案内で確かめてください。

家族が複数いる場合は、誰が申請するかを先に話し合っておくと進めやすくなります。申請できるのは1人だけだからです。誰の名前で申請したか、取り出したデータをどう分けるかは、家族のあいだで決めておくと後の行き違いを減らせます。

取り出せないものと、データの削除・端末の再利用

手続きが認められても、取り出せないものがあります。Appleのページによると、一部のデータはエンドツーエンドで暗号化されていて、Appleでも復号できません。そうしたデータにアクセスするには、故人のApple製デバイスのパスコードなどの情報が求められる場合がある、と書かれています。

鍵が差し込まれた真鍮の南京錠
写真: Shillings1005 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

故人アカウント管理連絡先がアクセスできるデータについて、Appleは別のページで次のように説明しています。写真、メッセージ、メモ、ファイル、デバイスのバックアップなどは対象です。故人のApple Accountで購入した映画、音楽、ブック、サブスクリプションや、iCloudキーチェーンに保管された支払い情報、パスワード、パスキーなどには、アクセスできません。法的書類で申請した場合の範囲は、このページに一覧がなく、申請時にAppleへ確かめる必要があります。

アカウントを消したい場合は、別の申請です。故人のApple Accountとデータの完全な削除は、専用のデジタル遺産のWebサイトから、法的書類を添えて申請します。必要になるのは次のものです。

  • 自分のApple Account(なければ作成する)。
  • 削除したい故人のApple Account。
  • 法的書類。

削除と閲覧は別の手続きなので、写真を取り出したいときは、削除の申請を先に出さないように気をつけます。

端末の再利用についても、公式ページに説明があります。故人のApple Accountでサインインしていた端末のアクティベーションロックは、故人アカウント管理連絡先としてのアクセスが承認されるか、アカウントの削除が承認されると、自動的に解除されます。iPhoneやiPadを家族が使い続けるときは、先に復元して消去し、自分のApple Accountで設定し直します。写真を取り出す前に端末を消去すると、端末にしかなかったデータは戻りません。

申請の前に整理しておくこと

申請に入る前に、手元でそろえられるものをまとめておくと、あとの作業が楽になります。

ロック画面が表示されたスマートフォン
写真: Acabashi / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  1. 故人のApple Accountのメールアドレスを控える。端末の設定画面や、Appleからの古いメールで見つかることがあります。
  2. アクセスキーが残っていないか、書類の束とエンディングノートを探す。
  3. 戸籍謄本など、死亡が記載された書類を用意する。
  4. 申請する人を家族で1人に決める。
  5. 端末を消去しない。パスコードが分かる人が見つかる可能性を残す。

写真のほかにも、iCloudにはメモやファイルが入っていることがあります。契約中のサービスの請求がiPhone経由で続いていないかは、故人のサブスク・有料サービスを解約する方法と探し方が参考になります。パスワードや各種アカウントの手続きに家族だけで手が回らないときは、デジタル遺品の整理を手伝うサービスに相談する方法もあります。

LINEやInstagramなど、ほかのアカウントの扱いは故人のLINE・Instagram・Xの扱いで説明しています。

出典

  • 亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する方法 Apple サポート https://support.apple.com/ja-jp/102431 (確認日 2026年11月4日)
  • Apple Accountの故人アカウント管理連絡先を追加する方法 Apple サポート https://support.apple.com/ja-jp/102631 (確認日 2026年11月4日)

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