亡くなった家族のマイナンバーカードは返納が必要か 自治体の案内で確かめた保管と処分
亡くなった家族のマイナンバーカードを、市区町村に返さなければならないという決まりは、今回読んだ自治体の公式ページには見当たりませんでした。春日井市、佐世保市、柏市、市川市、世田谷区のページは、どれも返納の義務はないと案内しています。
案内は、そろって、相続などの手続きが終わるまでカードを保管するよう勧めています。窓口に返したい場合は、受け付けてくれる自治体もあります。この記事は一般的な情報で、個別の判断はお住まいの市区町村の窓口や、弁護士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。
返納の義務はあるのか
自治体の公式ページで、死亡した人のカードについて書かれた部分を読みました。表現は少しずつ違いますが、返納の義務がないという点は同じです。

- 春日井市: 亡くなった方のカードの返納義務はないため、親族が廃棄しても構わない。
- 佐世保市: 死亡した方のマイナンバーカードと通知カードの返納は必要ない。
- 柏市: マイナンバーカード、通知カード、住民基本台帳カードを、市役所に返さなくてもよい。
- 市川市: 亡くなった方のカードを返納する義務はない。
- 世田谷区: 返納の義務はない。希望すれば窓口で受け付ける。
今回確認したのは、この5つの自治体です。全国の自治体が同じ案内かどうかは、確かめていません。住んでいる自治体のページや窓口で確認します。
一方で、生きている本人が自分の意思でカードを返すときは、市区町村の窓口に持参して返納届を出します。神奈川県のページには、窓口にカードを持っていき、返納届を提出する必要があると書かれています。これは自主返納の説明で、死亡した場合の扱いは書かれていません。
すぐに返さず、しばらく保管する理由
返納が必須ではないのに、各自治体が保管を勧めるのは、相続などの手続きでカードが要る場合があるからです。春日井市のページは、保険金の請求など各種手続きに使うことがあるため、死亡届を出した後も、相続の手続きが終わるまで一定期間は保管するよう案内しています。世田谷区も、亡くなった方の各種手続きに必要な場合があるので、しばらく保管するよう案内しています。

市川市のページには、相続などの手続きでマイナンバーの提示を求められることがあるため、しばらくの間保管し、その後は処分してよいと書かれています。柏市のページも、相続などの手続きで個人番号が必要になることがあるため、カードは各種手続きが終わってから処分するよう案内しています。
カードを返しても、番号が消えるわけではありません。市川市のページには、カードを返納しても個人番号が消えることはないと書かれています。
なお、柏市のページには、亡くなった方のマイナンバー入りの住民票は発行できないという注意も書かれています。番号が必要な手続きがあるときは、カードや通知カードの現物が手元にあるかどうかが関わります。必要になりそうな手続きは、手続き先に前もって聞いておくと安心です。
カードの電子証明書はどうなるか
マイナンバーカードには、オンラインの手続きで本人確認に使う電子証明書が入っています。デジタル庁のよくある質問のページには、公的個人認証サービスの電子証明書の失効理由に、死亡が含まれていると書かれています。

失効のタイミングや、失効した証明書のカードがどう扱われるかは、今回読んだページには書かれていませんでした。死亡の届け出をしたあとにカードを使う場面があるかどうかは、手続き先に確かめます。故人のカードで、本人になりすましたオンライン手続きをすることはできません。
自分で処分するとき、窓口に返したいとき
カードが不要になったときの扱いは、自治体によって少し違います。

自宅で処分する
柏市のページは、自宅で処分する場合は、ハサミなどで裁断してから処分するよう案内しています。ICチップや券面には個人情報が入っているため、そのまま捨てることは避けます。
窓口に返納する
世田谷区は、希望する場合に総合支所や出張所の受付窓口で受け付けると案内しています。佐世保市も、返納を希望するときは市役所の窓口で回収すると書いています。春日井市のページは、返納のときは「個人番号カード返納届」を提出するとしています。
代理人が窓口に行くときの持ち物は、自治体ごとに決まっています。市川市のページには、法定代理人が返納する場合は、返納するカードと、法定代理人の本人確認書類、代理権を確認できる書類が要ると書かれています。任意代理人の場合は、市川市の委任状も要ります。亡くなった方の家族が窓口に行く場合の必要書類は、今回読んだページには細かく書かれていませんでした。持ち物は、行く前に窓口へ電話で確かめます。
窓口に行く前に、電話で次の点を確かめておくと、行き違いが減ります。
- 亡くなった方のカードを、その窓口で受け付けているか(世田谷区のように、本庁以外の受付窓口が決まっている自治体もあります)
- 返納届の用紙が要るか(春日井市のページは、返納のときは個人番号カード返納届を出すとしています)
- 来庁する人の持ち物と、続柄を示す書類が要るか
- 受付の曜日と時間
返納した後は、カードは手元に戻りません。相続の手続きで番号を確かめる場面が残っていないか、返す前に一度考えます。
問い合わせ先として、神奈川県のページは、市区町村の窓口か、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)を案内しています。
カードのほかに返すもの・残る手続き
死亡の届出を出すと、その通知が住所地の市区町村に送られ、住民票に死亡の記載がされます。世田谷区のページは、このため家族が住民票について特別な手続きをする必要はないと説明しています。世帯主が亡くなったときは、世帯変更届が必要になることがあるとも書かれています。

世田谷区のページには、印鑑登録証は返納が必要だと書かれています。マイナンバーカードの扱いとは違うので、分けて考えます。
カード以外にも、故人の契約や口座には、それぞれの手続きがあります。携帯電話は故人の携帯電話の解約、スマホのロックは故人のスマホのロックが解除できないとき、カードの契約は故人のクレジットカードの解約に書きました。ネット銀行や証券口座は故人のネット銀行・ネット証券の見つけ方で説明しています。
出典
- マイナンバーカードの返納方法を教えてください 春日井市 https://www.city.kasugai.lg.jp/faq/1000370/1000376/1030212.html (確認日 2026年11月4日)
- マイナンバーカードや通知カードを受取り後に死亡された場合 佐世保市 https://www.city.sasebo.lg.jp/siminseikatu/koseki/mynakadosibou.html (確認日 2026年11月4日)
- 死亡した人のマイナンバーカード等はどうすればよいですか 柏市(FAQ No.2049) https://faq2.city.kashiwa.lg.jp/faq/show/2049 (確認日 2026年11月4日)
- マイナンバーカードの自主返納について 市川市 https://www.city.ichikawa.lg.jp/page/2973.html (確認日 2026年11月4日)
- 亡くなられた方の住民票、印鑑登録証、マイナンバーカード等の手続き 世田谷区 https://www.city.setagaya.lg.jp/theme/009/002/001/d00155141.html (確認日 2026年11月4日)
- マイナンバーカードの返納について 神奈川県 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/b8k/myn/hennou.html (確認日 2026年11月4日)
- マイナンバーカード・公的個人認証 よくある質問(地方公共団体向け) デジタル庁 https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/local-government/faq (確認日 2026年11月4日)