故人のクレジットカードの解約とカード会社の調べ方 CIC・JICCの開示と相続放棄の注意
亡くなった人のクレジットカードは、遺族がカード会社に連絡して退会(解約)の手続きをします。どのカードを持っていたか分からないときは、信用情報機関のCICやJICCに、法定相続人などが開示を請求する方法があります。
カードの未払い金も、相続の対象になります。相続放棄を考えているときは、残高を払う前に確認が要ります。民法921条は、相続人が相続財産を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めているからです。この記事は一般的な情報で、個別の判断は弁護士や司法書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。
カードの数と未払いを調べる
まず、故人がどのカードを持っていたかを確かめます。手がかりになるのは、財布や引き出しにあるカード、郵便で届いた明細や請求書、メールの利用明細、通帳の引き落としの記録です。

民法896条は、相続人は相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定めています。カードの未払い金のような借金も、この中に入ります。
相続人は、承認や放棄をする前に、相続財産を調べることができます(民法915条2項)。承認や放棄をする期間は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内で、家庭裁判所に頼めば伸ばせます(同条1項)。カードの調べは、この3か月の間に進めたい作業です。
見つからないカードの照会先として、次の節の信用情報機関があります。見つかったカードのうち、サブスクの支払いに使っていたものは、故人のサブスク・有料サービスを解約する方法と探し方と合わせて確認します。
CICとJICCで信用情報を開示する
CICは、CICに加盟するクレジット会社などとの契約内容や支払状況を確認できる制度として、情報開示を案内しています。故人の分は、法定相続人などが請求できます。

CIC
CICの案内では、亡くなった人の開示を申し込めるのは法定相続人だけです。郵送で次のものを送ります。
- 信用情報開示申込書(法定相続人用)
- 法定相続人の本人確認書類2点(A群とB群から1点ずつ。書類の種類と条件は公式ページで確認)
- 法定相続人であることが確認できる書類の原本(法務局発行の法定相続情報一覧図、または戸籍謄抄本一式と相続関係説明図)
- 故人が亡くなったことが確認できる書類(戸籍謄抄本または死亡診断書のコピー。法定相続情報一覧図の原本を出すときは不要)
- 手数料(コンビニチケットで1,650円、定額小為替証書なら1,500円と発行手数料)
結果は、法定相続人の現住所に、本人限定受取郵便(特例型)で届きます。到着までの目安は、法定相続情報一覧図を出したときが10日ほど、戸籍謄抄本など複数の書類を出したときが20日ほどです。
第2順位や第3順位の法定相続人として申し込むときは、上の順位の人がいないことを示す書類が要ります。上の順位の人が相続放棄をして法定相続人になった場合は、相続放棄を証する書類を送ります。
JICC
JICCは、法定相続人か、2親等以内の血族の人が、郵送で開示を申し込めると案内しています。弁護士や認定司法書士に委任する方法もあります。必要なのは、本人確認書類2点、法定相続人等であることが分かる戸籍(除籍)謄本等、亡くなったことが分かる戸籍(除籍)謄本等、申込書、手数料です。手数料は2,177円(税込)で、コンビニで郵送開示利用券を買って納めます。法定相続情報一覧図の原本を出す場合は、戸籍謄本の提出は原則不要です。
開示されるのは、それぞれの機関に登録されている情報です。両方に申し込むかどうかは、必要に応じて決めます。
カード会社への連絡と退会
見つかったカードは、カード会社に、持ち主が亡くなったことを連絡します。会社ごとの案内を、3社の公式ページで確かめました。

- JCB: 本会員が亡くなった場合の手続きとして、カードの退会手続き、サービス契約会社(携帯電話や公共料金など)の支払い方法の変更、ご利用残高のお支払いの3つを案内している。公的書面の写し(戸籍謄本、住民票の除票、死亡診断書など)の提出を求める場合がある。
- イオンカード: 相続人がイオンカードコールセンターに連絡する。電話の際に、カード番号(複数枚あれば全部)、引落口座が凍結されているか、電子マネーWAONやAEON Payに残高があるときの返金先となる相続人名義の口座情報を伝える。
- セゾンカード: 亡くなった本会員のカード解約は、専用フォームで受け付けている。三親等以内の家族が手続きでき、利用残高があるときは、利用明細書が登録の住所に郵送される。
会社ごとに、連絡先と必要な書類が違います。カードの裏面や明細に書かれた連絡先から、まず問い合わせます。
携帯電話料金や公共料金などをカードで払っていた場合は、カードを退会しても、各契約先の支払い方法を切り替える作業が残ります。携帯電話は故人の携帯電話の解約と端末代の残りで、公式の手続きを整理しています。
相続放棄を考えているときの注意
民法921条1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたとみなすと定めています。ただし、保存行為と、一定の期間を超えない賃貸は例外です。単純承認をすると、故人の借金も引き継ぎます。

カードの残高を、故人の預金から払う、遺品を売って払う、といった行動が処分にあたるかどうかは、条文だけでは判断できません。放棄を考えている間は、残高の支払いや、支払いの約束を控え、家庭裁判所や弁護士に確認してからにします。
放棄は、家庭裁判所に申述して行います(民法938条)。放棄をした人は、初めから相続人にならなかったものとみなされます(939条)。そのため、放棄をしたあとに、CICやJICCに法定相続人として開示を申し込めるかは、この記事では確かめられていません。開示が必要なら、放棄の申述の前に済ませるか、各機関に問い合わせます。
期限の3か月を過ぎそうなときは、家庭裁判所に期間の伸長を頼めます(915条1項)。
引き落としと残った手続きを整理する
カードの退会が済んでも、口座の引き落とし、サブスク、携帯電話、通販サイトの登録など、片づける作業が続きます。一覧にして、連絡した日と相手を記録していくと、漏れが分かります。

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出典
- 民法(明治29年法律第89号)896条・915条・921条・938条・939条 デジタル庁 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日 2026年11月4日)
- 郵送で開示する(法定相続人による開示) CIC https://www.cic.co.jp/mydata/mailing/index.html (確認日 2026年11月4日)
- 亡くなった家族(被相続人)の情報開示をすることはできますか? CIC https://www.cic.co.jp/faq/detail/kaiji/kaiji02/002536.html (確認日 2026年11月4日)
- 二親等以内の血族 法定相続人等による開示 日本信用情報機構(JICC) https://www.jicc.co.jp/kaiji/31 (確認日 2026年11月4日)
- JCBカードの本会員が亡くなった場合、どのような対応が必要ですか? JCB https://j-faq.jcb.co.jp/faq/show/11038 (確認日 2026年11月4日)
- カード名義人が亡くなった場合の退会手続きについて イオンフィナンシャルサービス https://faq.aeon.co.jp/faq/show/768 (確認日 2026年11月4日)
- カードの会員様がお亡くなりになった場合の解約 セゾンカード https://www.saisoncard.co.jp/guide/mortality/ (確認日 2026年11月4日)